南イタリア・アグリツーリズモと水彩スケッチの旅 ①

羽田からパリ経由ナポリへ・ピザ・マルゲリータで旅はスタート   2016/7/27改
2014年6月に南イタリアのナポリ周辺を2週間かけて旅してから早くも2年になる。その時の新鮮な記憶と気持ちの昂揚感も薄れてきた今、そろそろ当時の資料や写真をめくり直しながら旅の様子や感じたことを気ままにまとめてみるのも、旅を二度楽しむという意味で、面白そうではある。

ナポリ周辺移動図

ナポリ周辺移動図

この旅の主たる目的は、①イタリアで広く普及しているアグリツーリズモという農家に滞在する旅スタイルの体験。②イタリアの海岸をのんびりと歩きながらタブレット(Surface)に入れた水彩画ソフトで水彩スケッチをすること、の二つ。二週間をかけた旅の航跡は上図のとおりで、主な滞在地は、①カプリ島が目と鼻の先のソレント半島先端近くのMassa Lubrenseという小さな港町のレモン農家に六泊、②サレルノ郊外山あいのウオールナッツ農家に三泊、ナポリ市内ポジリポの丘にある小さなホテルに三泊。今回の旅は、飛行機の予約はもちろん、現地の宿泊先やナポリのサンカルロ劇場のコンサート切符の予約などすべてインターネットで予約した上での、手作り一人旅だ。
さてさて何が起きるやら、わくわくどきどき・・・

旅は真新しい羽田空港の国際線ゲートから22時15分発エアフランス便でスタート。12時間余りたっぷり寝たが、到着したパリのシャルルドゴール2は翌朝4時でまだ真っ暗だ。入国審査・通関をへて、ナポリへの乗り換えゲートF29へ。ところがこの乗り換え先が遠くて案内表示も見当たらず、非常に分りづらい。あちこちで聞きながらBaggage claim横の狭い通路を通り抜けてやっとたどり着いた。幸いナポリ行は9時35分発でたっぷり時間はあったが、初めての人は事前確認しておくなど相当注意が必要と思われる。

パリ・シャルルドゴール空港2で朝早く乗り換え

パリ・シャルルドゴール空港2で朝早く乗り換え

白々と空が明るくなるも、売店は全く開いておらず、おまけにかなり寒い。数時間ひたすらベンチで待つ中で、恐る恐るSurfaceを取り出して第一号の水彩スケッチを試みる。人混みも多くなく時間もたっぷりあったが、なにせこれまで数枚しか練習していない水彩画ソフトだ。取りあえずこそこそと殴り描きしてみた。

パリからナポリへは約2時間余り。ローマ、
ミラノに次ぐイタリア第三の都市である割には、ナポリ・カポディキーノ国際空港は少々質素な雰囲気だ。人口100万人程度(商圏人
口で 300万人)と聞けばうなずけるが、南イタリアに君臨するあのナポリのイメージからは少し拍子抜けする。都心の鉄道中央駅まで数キロの近さ。でも地下鉄は来ておらずバスがメイン交通機関だ。パス乗り場も空港ビルディングを出て、普通の歩道を旅行カバンを引いて100メートル歩き、ナポリでは珍しいマクドナルド前のバス停に並ぶ。これがナポリ流の様だ。
やっと中央駅に着いて荷物を預け、取りあえずナポリの街を散策だが、その前に夕方向かうソレントへの乗り場を確認しておく。ソレントへはベスビオ周遊鉄道(Circumvesuviana)という私鉄が一般的で、中央駅地下通路を少し奥に歩くとガリバルディ駅乗り場がある。余談だが、ベスビオ周遊鉄道やソレント近隣のパス並びにナポリやソレント半島近郊のフェリーなど交通機関の時刻表は、ほぼ全てインタネットで情報収集できる。

ナポリ中央駅から西にまっすぐ伸びるコルソ・ウンベルト大通りは、ナポリ大学を経てサンカルロ劇場、プレビシート広場、卵城、サンタルチア海岸など観光の目玉地域につながる。正午も過ぎたので何はともあれやはり、ナポリ発祥のピザ・マルゲリータを試そうということで、ガイドブック地球の歩き方をめくると、駅前地域ではピッチェリア・ダ・ミケーレが人気らしい。途中で露地に目をやると自転車やごみが散乱、古いビルの窓から伸びた竿には洗濯物が下がり、通りにはひげを生やした浮浪者風の人々があちこちにたむろ。カメラを向けると、『こら写真などとるな!』といったふうな声が聞こえて来た。これはまるで西部劇の世界ではないか、くわばらくわばら、ナポリは本当に怖い所かもしれないと気を引き締めて歩を速めた。ナポリの名誉のために付け加えると、こんな雰囲気は駅前近辺と西寄りのスペイン地区のみで、他の地域ではほとんど気にならなかった。

Da Michele

ピザの人気店 Pizzeria da Michele

隣の店Trianon のマルゲリータ

隣の店 Pizzeria Trianon da Ciro のマルゲリータ

ミケーレは観光客に超人気のピッチェリアらしく長蛇の列だ。とても並ぶ気にはなれなくて数十メートル先にある別のピッチェリアに入った。当然注文はマルゲリータ。北イタリアとは対照的に香ばしく焼けた分厚い生地。その上で赤いトマトソースにモッツァレラチーズがトロ―と溶け込んでバジルの香りが食欲を誘う。うーん、美味い!南イタリアでは生地が厚いので外側の耳の部分は残すらしいが、生地もおいしいので綺麗に完食。しばし幸せに満たされて店の中を眺めまわした。ミケーレに比べれば随分客の数がすくない。会計後レジシートをみると、Margherita 4€、Nastro Azzurro(有名なイタリア・ビール)3.5€、サービス料1.12€で合計8.62€、日本円では1€130円換算でも1,100円程度で安いし美味い。日本だとピザだけで1,300円だろうし、こんな味にはならない。ナポリのあるカンパニア州はモツァレラチーズの大産地という強みもあってマルゲリータが発祥したのだから。レジには店の名前がPizzeria Trianon da Ciroとある。後でわかったが、この店もガイドブックに載っている有名店であるらしい。

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