ミニマイクログリッドを活用した水気耕栽培・実験編

ソーラーシェアリングは好奇心を大いに刺激し様々な創意工夫を促す。今回は、ソーラーシェアリングの支柱や梁を活用して、電力会社に連系しないオフグリッドの太陽光発電システム設置とそれにより発電された電力を活用して水気耕栽培に挑戦してみた。

ホーム型ハイポニカ水気耕栽培
水耕栽培の基本を知るために、先ずは小型のホームハイポニカ水気耕栽培システムを設置して実験。下部のタンク槽に設置した5W の水中ポンプで上部の栽培槽に水をくみ上げ排出口からタンク槽に水が循環する仕組み。蒸発で水量が減少すると給水制御タンク内の浮きが沈んで一定量の水が自動的に補給される仕組みだ。要はトイレの水タンクと同じもの。液肥は野菜の種類に関係なくハイポニカ(ハイポネックスではない)の液肥を少量排出口に流し込むだけ。液肥の投入量はタンク槽の水に所定の濃度計を浸けて液肥濃度を測り、濃度が一定範囲に収まるよう適宜追加する。冬場は蒸発が少ないので、2週間に一回程度の液肥投入で済んでいる。初回の設備設置が秋だったこともあり、リーフレタスの栽培でスタートしたが、本来のメインターゲットはトマト栽培にある。そのため、栽培槽の位置は地上1m余りで、トマトが成長して頭上2m弱に設置の棚を這い、トマトの実が葡萄の様に垂れ下ることを想定している。

タンク槽の5W水中ポンプの電源は、ソーラーシェアリングの一角に追加設置した太陽光パネルで発電の電力を使用している。当初は実験的スタートでもあり、120w1枚のパネルで発電した電気をチャージコントローラーを経由して、2個並列につないだ軽トラの廃バッテリー12Vに蓄電。12v用1500wインバーターを経由し100v一般電源としてポンプに使用した。その後、下記の様に設備増強と配線設計変更をして、さらに規模拡大が可能なものに進化している。

太陽光発電を活用したミニマイクログリッドによる電源供給
上記ホーム用ハイポニカ水気耕栽培用の5w水中ポンプと後段記載の農業水気耕栽培用の24w水中ポンプの電源概要は下図の通り。数日間の雨天や曇天でも停電しない様余裕のある規模としている。パネルはソーラーシェアリングと同一仕様の120w細型パネルを4枚設置し、直列2枚組を並列につないでいる。公称最大電圧13.6vのパネルを2枚直列としたので27.2vの電圧になっている。
バッテリチャージコントローラーは12v/24v兼用なので問題なく稼働している。バッテリーはさすがに軽トラ廃バッテリーは止めて、新品のディープサイクルバッテリー2基をネットで購入した。12v100AHなので、直列につないで24v仕様にし、パネルサイドの27.2vと整合させてる。バッテリーを並列につなぎシステム全体を12vで統一することも検討したが、あえて直列24vにした。その訳は、バッテリーを並列につなぐと複数バッテリー間を循環電流が流れてバッテリーの消耗が激しく寿命が短くなるとの情報が多いため。全く同じ新品のバッテリーを同時に使い始めれば循環電流が発生しないような情報もあるが定かではない。
バッテリーに貯蔵された電源は、24v用1000wのインバーターで100v交流電源に変換され、一般家電用コンセントから水中ポンプ用配線にながれる。インバータ選択で注意すべき点は、流入電圧範囲の仕様チェック。失敗例として最初に購入したものは入力電圧範囲が21v~28.3v。パネル側公称電圧が2枚直列で27.2vなので何とかと思いきや、実際の発電電圧は晴天時27v前後だが瞬間的28vを超える揺らぎが見られ、数日後に一瞬28.3vを超えたようで内臓ヒューズが飛んだ。そこで入力電圧21v~31vのものを探して再度購入し、なんとか安定運用できている。また安いインバーターには疑似正弦波のものがあり使用家電に制限がでるので、電流の質が良い正弦波の機器を選択した方が良い。蛇足ながら、電気の質といえば、電気にも鮮度があるようで電力会社の長距離電線で運んだ電気よりも、マイクログリッドなど地産地消による電気の方が鮮度がよく電気の質も良いとされている。※オフグリッドシステムについてはFarmer’s DIYが詳しい.
バッテリーを長持ちさせる方法はこちら

 

 

 

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