オフグリッド再エネ水気耕栽培・2021農業規模へ・栽培編

そもそもソーラーシェアリングの下で水耕栽培を始めた理由。①800㎡というソーラーシェアリング畑の限られたスペースでトマトを6年以上栽培し続けた結果、徐々に連作の障害が見え始めたこと。➁ソーラーシェアイング本体とは別にオフグリッド再生可能エネルギーの農業への活用を体感してみたかったこと。
その結果、土壌微生物頼みのトマト露地栽培にともなう気苦労から解放された。さらに太陽光発電と風力発電での水耕栽培が実用可能なことと、太陽光発電・風力発電とバッテリーによる変動再エネの調整がそれなりに機能していること、などが体感できた。

2021年の水気耕栽培では、農業用栽培槽5基を大玉トマトとミニトマトにそれぞれ2基、残り1基を中玉トマトに割り当てた。それぞれ一本の苗を定植。種から水耕栽培も可能だが通常3月播種なので水温が低く発芽が遅く成育もよくない可能性多い。3月中旬に通常トレーに播種して5月上旬10㎝程度の苗を根を傷めないよう土を払って栽培槽に移植している。

栽培面は地上1m程度、地上1.8m程度にビニールハウス用の22.2㎜パイプを60㎝幅程度の格子状に張り巡らしてその上にトマトの枝が広がるようにしている。通常トマトの実はブドウ房の様に棚からぶら下がるので収穫も容易だ。パイプ間隔が広すぎる場合は針金を張っても良いが、トマトの吊り下げ使うつりっ子用糸とクリップを活用するど自在に枝の誘導や支持が可能となる。下の写真は上から、ミニトマト、大玉トマト、中玉トマト。トマトの品種はホームセンター販売の、プレミアムルビー、麗夏、フルティカ。

 水気耕栽培には設備コストのほか、液肥のラニングコストがかかる。ハイポニカ液肥はA・B二種類あり、両者を事前に混ぜないで栽培槽に投入する。下部タンクと上部栽培槽を循環する水の濃度を計測して、濃度を2.2から2.6の範囲に維持する。夏場葉の広がりが大きくなり葉からの水分蒸発が多くなると、下部タンク水位が下がり浮きボールが下がって自動給水される。その結果、水全体の濃度が下がり液肥の追加が必要となる。約9カ月におよぶ栽培期間中、水を排水したり入れ替えたりすることはない。

夏場は、2日から3日毎に栽培槽1基あたり各400㏄程度の液肥投入が必要となる。トマト1本の木が概ね8m四方程度にも広がり、3月定植から12月撤去まで合計で6リットル程度を消費する。20リットルタンクが22,000円程度で購入できる。

トマトが1m位に成長して上部棚の上に達し始めたら枝を3本から4本建てにしている。その後はスペースを勘案しながらつりっ子の糸とクリップで枝を誘導する。その後枝は今のところ特に芽かきや摘心をしていない。畑を1ミリネットで覆っているので基本的に蜜蜂は来ないがトマトは風の揺さぶりで受粉する。受粉をさらに確実にするためブロアーで3日に1回程度やさしく花枝を揺さぶるとほぼ完全受粉する。

現在の課題は、一日以上の長雨に会うと赤く熟したトマトは大量に割れること。2021年は7月中ほぼ雨が降らず露地野菜は干上がり、8月になると2週間以上毎日雨が続き露地の人参は腐り、水耕栽培トマトも割れが続出その後は虫が多発して夏場は散々だった。秋口になり大量の実が付き始め虫も消えた。ビニール屋根があると良いのだが今のところ設置できる名案を思い付かない。取りあえず長雨予測時は少し早めでも収穫してしまうのが現実的方法。さらに1ミリネットで囲っていても特に長雨後の盛夏には虫が繁殖するので多少の農薬は不可避か。トマトサビダニ等への対処ができると良いのだろう。

オフグリッド再エネ水気耕栽培・2021農業規模へ・設備編へ

 

オフグリッド再エネ水気耕栽培・2021農業規模へ・栽培編」への1件のフィードバック

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