薪割りのパラダイムシフトでギックリ腰よサヨウナラ

こんなものだろうとの思い込みで何の疑いもなく長年続けてきた行動を、ふとしたきっかけで変えた途端、結果が劇的に好転することがある。数年前に従来の肩掛け草刈機を自走型草刈機にかえて目から鱗だったのが一回目。それまで丸一日6時間位かかっていた畦の草刈が一時間弱位で終わるようになった。労働生産性が5倍以上になったということだ。おまけに傾斜度のある畦を刈る時は体を斜めに傾けて重心のバランスをとりながら横に進む。それはまるでヨットのSaiingにさえ似ており、畦セイリングというスポーツを楽しむような感覚で草刈の苦痛から解放された。

2回目が今回の27トン油圧式薪割り機の導入だ。一般に市販されている薪割り機の破砕能力は4トンから大きいものでも7トン程度。しかし少し大きな切株付近のものなどは7トンでも満足には割れないだろう。今回27トン能力の薪割り機がネットで安く販売されているのをみて買ってしまった。というのも今年3月に近所の住宅地脇の雑木林伐採で軽トラック4車分手に入れた薪材が予想外に粘い繊維質のもので手斧ではどうにも割れず何カ月も放置した状態が続いていた。加えて毎年大量の薪を搬入しさらに手斧で割って乾燥用に積上げる作業で、春先になると軽いギックリ腰になるのが恒例行事だったこともある。近年はついつい薪割り作業が先送りになり夏も過ぎて薪材の劣化が目立ち始めるとやっと割り始めることも増えてきた。そろそろ手斧一辺倒の作業に見切りをつけるタイミングでもあったのだろう。

この薪割り機の効果は劇的だった。27トンの破壊力は凄まじくあれほど斧で四苦八苦した薪材がパンパンと割れていく。粘い繊維がまるでスルメの様に剥がれながら。持ち上げるのも苦労するように重く株元の複雑な木筋の太い部分もあっけなく割れていく。軽トラ4車分の癖のわるい薪材を僅か2日程度で割ったうえに乾燥用の積上げ整理も完了した。その労働生産たるや手作業の何十倍だろうか。膨大な割れない薪の山を前に途方に暮れていたのが嘘のようにアッという間に綺麗に片付いてしまった。まるでマジックのように・・・

ただし、ここまで来るには一つの大きな関門があった。ネットでの注文時に多少覚悟はしていたものの、送られてきた梱包品は約250キログラムの重量があった。さらに燃料や油圧オイルを入れれば即座に使用可能なものではなく、基本的にDIYによる組立仕様のものだった。米国製らしい英文の取扱説明書の最後のページに組立順の細かい番号を振った図面があり、基本的にこれだけが頼りだった。筐体の組み上げはミニバックホーで吊り上げながらの作業となるほか、外国製のエンジンや油圧シリンダー等との接続も必要だ。正直少々ひるんで自信はなかった。
意を決して取り掛かるもこんどはボルトサイズが日本の標準的なものでないらしいことが分かった。ホームセンターで辛うじて16番というレアなレンチを見つけてやっと動き出した。
しかし幸いにも始めて見れば意外にスムースに進んで稼働までたどり着くことができた。後から分ったことを一点付け加えるなら、エンジン部分を固定する4つのボルトの一つが、レンチを動かすスペースがなく締めにくいこと、さらにエンジンオイルの注入口も非常に入れずらい位置にあった。がしかし、写真の様に筐体のメイン部分を垂直に立てた状態にすればこれらの問題は解消することが分かった。
組み立てに自信のある人にはお勧めの機械だ。薪割りのパラダイムシフトが味わえる・・・

それでは、最後に薪ストーブを使い始めて16年間、手斧で割った薪のオンパレード。
薪材は搬入したら早めに割って質の良いものを薪ストーブで焚くに限る・・・

 

 

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