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「Socio-Technical Dyamics of Agrivoltaics in Japan」というテーマでISEPリサーチャーのインタビューを受けました

「Socio-Technical Dyamics of Agrivoltaics in Japan」というテーマでISEPリサーチャーのインタビューを受けました。ソーラーシェアリング(APV)というイノベーションがどのように日本社会と関わりながら動的に展開されるかされないか、と言った感じでしょうか。
2時間にわたるやり取りでの、当方論点は里山の小規模農業と小規模APVが融合することで瀕死の中山間地域農家が元気に復活し、日本の再エネと脱炭素が格段に進み、地域も元気になるということ。

日本の農家の7割以上が1ha以下の零細農家でその大半の農業所得はほぼ赤字だ。生計の大半を年金と外部からの所得でまかなうその農家と地域がいま衰退の崖っぷちにある。しかし小規模農家の存在価値は決して小さくない。中山間の里山で自然環境維持や災害防止等いわゆる多面的機能を無償で維持しているのがこれらの小規模農家だからだ。あの米国も1970年代頃の政策「Get Big,or Get out 規模拡大せよ、さもなくば退場せよ」の結果、地域の急速な衰退を経験してから2000年以降はとっくに「Buy Local, Know your Farmer,Know your Food 地産地消の小規模農業密着で安心志向 CSA」に転換、小規模農業が急増活況を呈している。欧州諸国でも、農業や山間地域の多面的機能の国民的価値を高く評価し、農業所得の大部分を補助で賄う国家的再配分政策を展開している。

個人的経験では、2016年にAPVの導入を機に水田を野菜畑に転換、以後7年間、脱炭素に関わる心地良さとAPV下での野菜栽培を存分に楽しみながら、昨年念願のパネル下800㎡での栽培野菜の年間売上が大台を超えた。10aでの水稲栽培標準売上が10万円とすればその10倍を達成、さらに売電収入が加わる。そして何よりAPVのおかげで農業が楽しくなった。里山の小規模農家であるがゆえに農業と密着しながら身近に気軽にこの小規模APVの多面的機能を生かせるのだろうと実感する。
今、世界はこのAPVの多様な機能と農業とのWin-Winの関係に一気に目覚めつつある。このことに早くから気付いて小規模APVを最大限優遇する政策展開をしている米国MA州がその典型だ。脱炭素が進む中でAPVはその中心的役割を担う運命にあるとさえ言われ始めている。コロナ禍や戦争、エネルギー、食料、地域環境等様々困難な問題が押し寄せるなかで、宝物のように輝き始めたAPV. だが残念ながら、いま日本では小規模APVには幾重にもバリアーが張られて社会的ダイナミズムを引き出すその輝きは見えなくなりつつある。