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オフグリッド再エネ水気耕栽培・2021農業規模へ・設備編

2019年秋に家庭用水耕栽培キットをソーラーシェアリングの下に設置して、冬の間レタスの栽培実験をした。上々の結果を受けて、2020年春から既設の家庭用水耕栽培槽でミニトマト2本を栽培。さらに栽培槽が2倍程度の農業用水耕栽培設備を1基設置し、大玉トマト2本の栽培実験をした。結果は雨の影響など受けながらもまずまずの収穫実績を残した。


2021年農業用
気耕栽培槽4基増設 設備概要とコスト
農業用設備は栽培槽と給水タンクからなり、これらを固定するのがソーラーシェアリングの柱を利用した単管の組み合わせとなる。さらに水循環用の水中ポンプと配電、給排水器具と給水調整器具・給水ホースなどが必要。水耕栽培ホーム用キットは全ての部材が㈱協和からセットで提供されているが、農業用はプラスティックの栽培槽と給排水調整用器具が提供されるのみ。その他はすべてホームセンターやネットからの自力調達となる。パイポニカ代理店のごきげん野菜に多くのノウハウが掲載されている。参考にしながら、DIYが存分に楽しめる。ブログ ブログ
部材内訳と2021年現在概算価格】
栽培水槽181×65×7: 33,000円
給排水器具とパネル蓋:  7,000円
タンク100L:      9,500円
水位ボール等:      4,800円
水中ポンプRIO800 9w:  3,000円
単管 上部棚用含む:    17,000円
48.6 2m×8,1×4,4m×1    22.2 4m×10
クランプ 大10中10小12:  8,600円
ホース,外部用電線各10m:3,800円
発泡スチ、角材4 その他:4,000円
以上1基あたり
合計額90,700円程度
【オフグリッドPV概算価格】
PVパネル細型120w4枚:  30,000円
コントローラ+ケーブル:  5,000円
インバータ―1,000w:   14,000円
DCバッテリー2個:      22,400円
以上オフグリッドPV合計   71,400円
【オフグリッド風力発電価格】
発電機+コントローラ:    54,000円
単管・クランプ等:   20,000円
以上風力発電合計 74,000円

 100リットルタンクは黄色よりも黒色の方が光がとおらず藻がはびこらない。
水中ポンプは水くみ上げの高さにより24w~9w程度。RIOブランドが売れ筋だがちょうどころあいの12w程度がない。他メーカーに12wで1500円程度のもがある。当方は井戸水使用のためか年度後半にはカルシュームの様な白い結晶が多く出てくる。水道水では出てこないとも聞く。結晶が増えるとポンプ軸にこびりついてポンプが止まることもあり注意が必要、少なくともシーズン終了後は丁寧な分解掃除が不可欠。
タンクへの給水はトイレに使われる給水調節浮きボールを代用して自動給水とする。ホ

ームセンターで浮きボールセットと水漏れ防止用に金属の給水口が調達できる。
栽培槽を載せる部分は4本の単管の上に発砲スチロールの板を敷いている。この発砲スチロール板を栽培槽の蓋に代用すれば、専用もの購入より安くあがる。

水中ポンプは6基稼働で合計70w程度だが、春から初冬まで毎日24時間連続運転が必要。半日以上稼働停止すると、栽培槽の水が下のタンクに大半漏れ出て栽培作物の根が乾くことになる。合計70wのポンプ稼働に必要な電源はPVパネル4枚480wと300wの風力発電とバッテリー貯蔵の組合せでほぼ24時間賄える。風力発電は予想を超えて、風速1m程度からよく回り4m前後の風ならかなり発電して太陽光発電を補完しているようだ。しかし風がなく数日以上雨が続くときはバッテリー電圧が21v以下となりインバータのブザー警告音とともに停電してポンプが止まる。こういう場合のFail Safeとして商用電源自動切換器を設置した。バッテリ電圧降下で使用不可になると、自動的に一般家庭用電源に切り替わり、天候回復等でパッテリ―電圧が回復し始めると自動的に再エネ優先使用に切り替わるという優れもの。
太陽光発電と風力発電は再生可能エネルギーの主力だが、発電はお天気次第で変動エネルギー(VRE)と呼ばれる。この変動するデメリットを調整するのが、バッテリー蓄電であり、太陽光と風力の補完関係である。実際吹雪の日でも風力発電は活発でバッテリーはフル充電状態だ。それでも無風長雨の時は一時的に外部商用電源にたよる。この畑のミニマイクログリッド・イメージは大筋で日本全体の再生可能エネルギーの需給調整と同じことと言える。

※太陽光発電等に絡む機器の接続詳細はこちら

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